悲報は突然訪れることがあります。ここではみなさんが急なお葬式に参列する際、慌ててしまわないように、正しい服装や、知っておきたい葬儀の基本的なマナーについてご紹介いたします。
葬儀の際の正しい服装
葬儀や告別式に参列するときは、原則として喪服を着用します。
以下でお葬式の際の正しい服装マナーを詳しく説明していきますので、参考にして下さい。
男性の服装
男性の場合は通夜、葬儀、告別式の全てにブラックスーツを着ていくのがマナーです。
ワイシャツは無地の白色のものを、それ以外は全て黒色で統一しましょう。
一般の参列者の場合、スーツの格は「略礼装」と呼ばれる簡易礼服を着るのが一般的ですが、親族の場合は少し格の高い「正礼装」「準礼装」でお葬式に臨みます。
女性の服装
女性の一般参列者の場合、略礼装であるブラックスーツやブラックフォーマルが好ましく、パンツやワンピース・アンサンブルのスタイルが基本です。親族の場合は「正礼装」である和装や、一般参列者と同様「略礼装」の洋装、どちらでもよいでしょう。
また、女性は和装・洋装いずれも喪服に合わせたフォーマルバッグを持ちます。ご興味のある方はこちらをご覧ください。
マナー違反にならない!喪服に合うバッグの選び方とおすすめバッグ6選
学生・子どもの服装
通っている幼稚園や学校に制服があれば、それがお葬式の際のフォーマルな装いとなります。
赤や黄色など多少は色が入っていても大丈夫ですが、気になるようであれば、目立たない黒やグレーなどの暗い色の私服で参列した方が無難でしょう。
香典について
故人の霊を供養するための香の代金としてお金を包むことが香典です。香典のマナーは故人の宗派や、包む金額により異なるのでわかりやすくご説明いたします。
香典袋は「ご霊前」のものが一般的
香典袋は全般的な呼び方として不祝儀袋と呼ばれ、様々な宗派により表書きが違います。
故人の宗派が分からない時は一般的に「御霊前」とかかれた香典袋を準備すると良いでしょう。
宗派による『表書き』の例
「御香典」「御香料」
神式の場合・・・
「御神前」「御玉串料」「御榊料」
キリスト教式の場合・・・
「御花料」「御ミサ料(カトリック)」
香典の額は故人との関係を考慮して包む
香典の金額は、故人との関係性で決まります。
香典額は血縁関係が近いほど高額となりますが、ご自身の年齢や、葬儀の大きさ、故人の知名度など、様々な要素を踏まえて決めるとよいでしょう。
4や9は死や苦をイメージするのでお包みする金額としては避けます。また、地域によって様々なしきたりがあるので確認しておきましょう。
香典の目安
関係性 | 金額 | 不祝儀袋の種類 |
---|---|---|
隣人・近所 | 3,000~5,000円 | 水引が袋に印刷されたもの |
勤務先関係・知人やその家族 | 3,000~10,000円 | 水引が袋に印刷されたもの~黒白水引のもの |
親類 | 10,000~30,000円 | 黒白水引のもの~高級感のある和紙に双銀水引のもの |
祖父母・兄妹 | 30,000~50,000円 | 高級感のある和紙に双銀水引のもの |
書き方・包み方
香典には新札を使わないのがマナーとされており、新札の場合は一度折り目を付けてから包むようにしましょう。
また、お悔やみを表す意味で、お札の顔の部分を裏向きにして入れるようにします。これは、顔を伏せるという意味があります。
名前や金額を記入する際は、普通の筆ペンではなく、薄墨の筆ペンを使用します。
薄墨には「涙で墨が薄まる」という意味があります。中袋がついていないのし袋の場合は、水引の下に自分の氏名を記入し、裏の左下に自分の住所、続いて金額を記入します。
中袋があるものは表に金額を記入し、裏の左下に自分の住所と氏名を記入します。
不祝儀袋の準備をしたら、袱紗(ふくさ)に包み香典を持っていくことが正しいマナーとされています。袱紗には慶事用と弔事用があります。慶事用の袱紗は暖色系、弔事用は寒色系とされています。ただし、紫は両方で使用できます。
そのまま不祝儀袋を入れる袋状のものと、風呂敷タイプの袱紗があり、包み方にマナーがあります。
袱紗について詳しく知りたい方はこちら
袱紗(ふくさ)の正しい使い方は?|結婚式やお葬式での包み方マナーとおすすめ袱紗6選
焼香のマナー
葬儀は故人の成仏を祈るための儀式で、告別式は最後のお別れをする儀式とされていますが、今は同時に行われるケースがほとんどです。
お葬式では「焼香(しょうこう)」と呼ばれる香を焚くのが一般的です。これは仏の功績をたたえたり、逝去された方を弔うための意味があります。
遅れての参加はマナー違反とされているので、定刻より少し早めに着くよう心がけましょう。
一般的な焼香の手順
焼香のマナーは、手順がわかっていてもなかなか慣れないことです。
参列の際は、前の方の手順をよく見ておくとご自身の順番がきても安心です。
訃報の知らせが届いた時の対応
突然の訃報の連絡はとても驚きますよね、特に初めての場合はどうしたらいいかわからないと思います。
故人との関わりの深さによって対応は異なってくるので、それぞれのお立場から、故人や残されたご遺族のために、ご自身がどのように対応したらよいか、ご参考になさってください。
親族・親しい友人の場合
親族や特に親しい間柄の場合は、訃報の知らせを受けた際、すぐに弔問へ駆けつけます。
いろいろなお手伝いをする心づもりで出向きますが、遺族にお手伝いを申し出てから行動しましょう。親しい友人の場合も、すぐに弔問へ駆けつけ、お手伝いが必要か親族に確認します。
故人とそれほど親しくない場合
それほど親しくなかった場合は、玄関先まで伺い、お悔やみを述べた後、通夜や告別式へ参列する旨を告げて辞去するか、故人宅へは伺わず、そのまま通夜や告別式への参列だけでもよいでしょう。
知っておきたいお悔やみの言葉
お悔やみの言葉は、故人の死を悼み、ご遺族を慰める為にかける言葉です。
ご遺族にお会いした際や、受付でお伝えする言葉ですが、故人との関係によってかける言葉もいろいろ変わってきます。大切なことは、ご遺族の気持ちを思いやり、手短に簡潔に故人のご冥福を祈る言葉を述べることです。
ここでは、一般的なお悔やみの言葉から、様々なケースで使える、お悔やみの言葉をご紹介いたします。
お悔やみの言葉(例文)
一般的なお悔やみの言葉
●このたびは、誠にご愁傷さまです。
●心からお悔やみ申し上げます。
急死の場合
●突然のことで、信じられない思いです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
病死の場合
●以前お会いした際には、とてもお元気でいらっしゃいましたのに、残念でなりません。謹んでお悔やみ申し上げます。
生前お世話になった方の場合
●生前は大変お世話になりました。これからご恩返しをと思っておりましたので、大変心残りでございます。
キリスト教の方がお亡くなりになった場合
●安らかな眠りをお祈りいたします。
使わない方がよいとされる忌み言葉(いみことば)
・言葉を重ねる表現や繰り返し、不幸をイメージさせる言葉
「重ねる」「かさねがさね」「ますます」「くれぐれも」「たびたび」
「苦しむ」「つらい」「とんだこと」「浮かばれない」
・直接的な表現は言い換えます
「死亡」「死ぬ」「亡くなる」
→「ご逝去」「他界される」
「急死」「事故死」
→「急なことで」「突然のご不幸」
「生きる」「生存中」
→「ご生前中」「お元気なころ」
故人との関係から、お伝えしたい言葉はたくさんあると思いますが、使ってはいけないとされる忌み言葉(いみことば)を避けて、なるべく手短にお悔やみの言葉をお伝えするようにしましょう。
まとめ
今回は急なお葬式に慌てないよう、知っておきたい葬儀のマナーと正しい服装についてご紹介しました。
基本的なマナーを確認して、いざという時のために備えておきましょう。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。